タマガワミノは嬉しい発見・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

城ケ島水域ではタマガワミノが安定して出現します。
宮川湾では去年は見ませんでしたが、その前はかなり見ました。

城ケ島では岩骨のとあるエリアで安定して出ます。
時期は今くらいから。

先日見つけた個体は2個並んでいて、大きい方はサイズもよかったです。



P8280096.jpg

サッカーボールのような背側突起中間のデザイン。
これが秀逸というか、タマガワミノを代表する特徴でして、国内のその他のミノウミウシにはない特徴です。

種としてはイナバミノに相当近いようで、形状が酷似することと、ホストがだいたい同じということから推測できます。

去年かな、イナバミノとタマガワミノのハイブリッドも見ましたしね。

ちゃんと写真にも納めました。
^o^



昨日は3個いました。ひとつは極小でホストではない場所からの発見なので、おそらく次行ってもいないでしょう。

日を追うごとに水底でのウミウシ探しが楽しくなってきましたよ。




DIVING SHOPウミウシハンターズ










エサが元気になってきました・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

城ケ島岩骨のタカの壁に久しぶりに行きました。

時期がくるとフサコケムシでいっぱいになる壁ですが、さすがにまだ早いです。
だいたい11月初旬くらいから。

ですが、それは数の話でして、生存するフサコケムシ自体は元気になってきています。



P8270130.jpg

フサコケムシの仲間です。

キチン質で出来たひとつひとつの室から触手が伸びていまして、これでプランクトンを捕獲して摂取しています。

フサコケムシがダメになると、この触手が極端に少なくなるんですよね。

ここのところ水温がやや下がり気味で、最高で26ー27℃あったのが、今は22-24℃です。

きっとそのためでしょう。
触手が元気に活動していましたよ。


秋になると若草色のフサコケムシの仲間が少しずつ増えてきます。
そうなると黄色いコミドリリュウグウ(幸せの黄色いコミドリ)が出始めます。

その頃には写真の色のフサコケムシは壁一面に拡がり、色々なタイプのリュウグウが出るようになり、
ボクはこの頃のことを「秋のリュウグウフェスティバル」と呼んでいます。




DIVING SHOPウミウシハンターズ










増えてきた美しいちびっ子・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

ムカデミノのチビが増えてきました。

このチビは夏のウミウシ、いや、夏の風物詩です。

大きくなると大抵の場合は無視されるムカデミノウミウシですが、小さいうちは色が淡く透き通っていて綺麗です。

とても画になるのでボクは好きです。



P8240090.jpg

色が淡く透き通っているのは、体内にまだ褐虫藻を宿していないから。

体内というより体表面のようですが、ムカデミノはなぜ褐虫藻を摂り入れるのか、褐虫藻はなぜムカデミノに摂り込まれるのを選ぶのか、なんとも不思議ですよね。

褐虫藻はとても小さな単細胞藻類で、鞭毛を使って水中を泳ぐそうですよ。
つまり、藻類(植物プランクトン)とはいえ動物の要素を持つので、褐虫藻はどこに宿るかをある程度自ら選べるというんですね。

そしてムカデミノは彼らを迎え入れるのですが、通常褐虫藻は光合成をしてその生産物を宿主に渡しますが(搾取される?)、果たしてムカデミノは積極的にそれを必要としているのかどうか。

ムカデミノの成体のあの異様な大きさを考えると、富栄養状態であるが故の成長かとも考えられますが、ただ大きいというだけでは他に褐虫藻と共生関係にないウミウシで大きいサイズの種も多くいるので、これは正しくないでしょう。


しかしですね・・・・・ムカデミノが何を普段食べて生息しているのかをボクは知らないんです。
ホストがないんです。

これ重要。

いつも水底に鎮座しているだけ。小さい個体はミルの表面にいるだけ。別にそこに固着するヒドロ類などを摂食しているようには見えません。

つまりこの共生関係は、単純にムカデミノが摂餌行為をほぼせずとも生きられるために必要なのでは???
と極端に考えているウミウシハンターズ池田なのでした。

^o^;


終 
(笑)




DIVING SHOPウミウシハンターズ










3年ぶりでーーーす・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

トンプソンアワツブガイ
トンプソンコトリガイ

同じ種ですが、和名が割れていると言うか、図鑑日本のウミウシの方では「コトリガイ」に変更されていますが、世界のウミウシと1260図鑑ではそのままです。

トンプソンを含むこれらの1群がスイフガイ上科の類いから外れキセワタ上科に移ることから、新しくコトリガイ属が出来ました。
なのでトンプソンコトリガイと和名変更がなされたのです。

これは経緯としての話。

古くからあるアワツブガイという呼び名を敢えて変更せずとも、コトリガイ科と属が新設されたのであるから、敢えて種の和名までかえる必要はないという立場の世ウと1260図鑑。
なるほど、そうなるとコモンウミウシなんかも属名と齟齬が生じているので、同時に和名変更すべしってなりそうですもんね。


なのでここではトンプソンとだけ書きます。
(笑)


P8220086.jpg

ゲストのアズサさんが発見。

こういう小さいモノを得意とする眼力の持ち主です。
^o^

城ケ島水域では通算して4回目と記憶していますが、前回が3年前だったと思います。

全国的に見るとそこまでレアではないですが、城ケ島水域ではレアです。

THE レア


ありがとうございました。
よくぞ!!って感じですね。
^o^





DIVING SHOPウミウシハンターズ










サガミミノの色違い・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

城ケ島水域にもサガミミノはよく観察されますが、色が2パターンいるようです。

一つは多数を占めるピンク色の個体。

もうひとつはオレンジに近いややピンクがかった個体。

今日はそのオレンジ系の個体です。



P8160088.jpg

あくまで城ケ島水域においてですが

よくいるピンク色の個体は水底の岩石面に固着する微細な八放サンゴの何かをエサとしているようですが、オレンジ色の個体は、壁面のオーバーハングに好んで固着するオレンジ色のハナゴケの仲間を摂取しているようで、それぞれがそういった場所から見つかります。

これは完全に食性の影響による色の違いと言えそうで、水底に生息した個体と壁面のそれとの違いで他に目立ったモノはなく、強いて言うなら壁面のオレンジ系の個体の方が得てして大きいというところでしょうか。

これは感覚的なモノで確たるモノではありませんが、考えられるのは、八放サンゴ(ソフトコーラルの類い)自体の大きさが全く違うので、個体が大きくなると壁面のオレンジ系のハナゴケをエサとするため移動するのかも、という見立ても可能性としてはあります。

事実、水底では大きい個体を目にしません。
せいぜいが大きくても10mm超といったところでしょう。

ところが壁面では20mm超の個体がザラです。





DIVING SHOPウミウシハンターズ










DNA鑑定を依頼した個体・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

コシイノミガイ(Pupa strigosa)は学名がついてますが、データベースに塩基配列情報があるかは知りません。

とある大学勤務のお方が時々潜りに来られるので、2個体を採取して陸にてすぐ固定し、研究室へ持って帰って頂きました。

こちら



Collage 2021-08-1220_08_35

コシイノミガイと貝殻の形態が同じに見える個体ですが、卵塊の形が全然違うんですよね。

産卵中ではないので確たることは言えませんが、すぐ近くにネジネジの卵塊があったので、この個体がコシイノミガイではなくオオシイノミガイの仲間であろうと推測されます。


この2個体のDNAを採取したとして、2個体がそれぞれ違った塩基配列をしていれば、そのどちらかをコシイノミガイのデータベース内容と照らし合わせれば、一致していればその個体はコシイノミガイ、もう片方は別種、つまりオオシイノミガイspであろうと推測できます。

もし両方同じであれば、2個体ともにコシイノミガイなのか別なのかが判別可能となります。
ただその場合、コシイノミガイの卵塊の特徴との不一致の説明が出来ません。
強いて言うとすれば、これまで同定がなされたコシイノミガイが間違いであった可能性もあります。



このあたりは「ウミウシの髄の部分」、ボクはこう呼んでお客様に紹介していますが、分子系統的にはオオシイノミガイ準綱の類いはその他ウミウシとは遠く、「ウミウシ」(これ自体曖昧なカテゴリーですが)ではない、なんて扱われ方が数年前から始まりましたが、まぁ、少なくとも当時の頭楯目グループからは外されたということは正確ということです。

※ 側鰓目に近いという結果もあるようです。


ボクが言う「ウミウシの髄の部分」とは、本来巻貝の仲間であるウミウシが、貝殻を捨てて(幼生中に放棄)進化した種が多いという経緯があり、そんな中にあって今も「ザ・貝殻」を大事に、いや、その盾の防御に依存して存在するという本来的意味において「髄の部分」と表現しています。



さぁて、その結果や如何に・・・・・

楽しみ ^o^/





DIVING SHOPウミウシハンターズ










この子に刺さって頂きました・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

へいぶ根でツノヒダミノをご紹介しました。

ちょうどシロウミウシ??の卵を摂餌中の個体です。



P8130107.jpg

水深19mほどの場所でダイブタイム終盤ということもありましたが、コンピューターの限界まで撮影を粘って頂くことが出来ました。

かなり刺さってらしたので、お好みなのは一目瞭然。
^o^

お客様が喜んでおられるのが一番うれしいですね。

結局究極つまるところそれです。
^o^v



この時、すぐ近くにツルガチゴミノもいたんですが、どういうワケかツノヒダミノとは同じ卵塊にいないんですよね。

一緒に食べていても良さそうなモノを・・・・・

またその逆も然り、ツルガチゴミノが食す卵塊にツノヒダはやってきません。

縄張りと言いますか、摂餌というのは生存する上で最重要なモノですから、種の間ではかなりナーバスな問題なんだろうと思います。


これについては他のウミウシでも同様に観察しています。

それはまたいずれ書きましょう。





DIVING SHOPウミウシハンターズ










3年ぶりの再会・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

フェイスブックでカスミハラックサとの再会を記事にしましたが・・・・・
あれ???
過去には夏じゃなくて秋と冬に出会ってたようです。

^o^;

とまぁ、それはそれとして、3年ぶりに会えて嬉しかったです。

カスミハラックサ



P8130003.jpg


カンムリハラックサとカスミハラックサがとても好きですね。

カンムリハラックサは一度しか城ケ島水域で出ていませんが、カスミハラックサは2度出ています。

今日で3回目。
感激です。




明日からかなりの南風が吹きそうです。

向こう3日間でしょうかね。

せっかく見つけた個体も残念ながら観察に伺えないという悲しさ・・・・・

いなくなるな、こりゃ



海が再開したらまた何か探しに行こう




DIVING SHOPウミウシハンターズ










これも夏なんですよねー・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

アオウミウシの仲間です。
和名はないし、まず学名もないです。

この種は2個体をとある学者さんに提供しましたが、どうやら標本にしかなってないようです。

期待したんですがね。



3年前に城ケ島のへいぶ根に出始めてから、毎年初夏になると散見されるようになりました。

その時には既に見て取れるサイズなので、極小が冬くらいから成長の準備をしているんだと思います。



P8110004.jpg

今日は4個体見ました。

夏になって1個2個と見るようになったのですが、今日はまとめて4個。
うち2個はいつものカイメンに着いたままでしたが、ほかの2個は移動中でしたね。

これでいいかなーーというカイメンに引っ越しをさせました。

この種は場所が決まるとほとんど動かなくて、ガイド的に助かります。



さぁ、明日は何が出るかな・・・・・

前線が来てます。
午後から強い南が吹きそうですね。

今週末はダメっぽいです。




DIVING SHOPウミウシハンターズ










ゾウアメフラシの交接も・・・・・ウミウシならウミウシハンターズへ

続けざまの嵐です。
台風、と言っても大した台風ではないんですが、それでも周囲の高気圧と気圧差があるので強い風が発生中です。

ばばばばばーーーって音が時々していますが、これ、海沿いはひどい状態ではなかろうか・・・・・



ここんとこ城ケ島ビーチのある場所にゾウアメフラシが5個体居着いています。

赤い海藻、カバノリだと思うんですが、ワシャワシャ食べてます。
(笑)

で、複数いるもんですから、見ると大抵は交接しています。




P8040173iJPG.png

この写真だけ見てもワケが分からないでしょうから、描き込みしてみました。

緑の矢印が頭の方向です。
赤い線が2個体を分ける線です。
黄色の矢印が交接器の侵入方向および大体の位置です。


ゾウアメフラシが1個体で300mmはあろうかというサイズですので、こうして連結されてしまうと画角に納まりません。
(笑)


普通ウミウシは右側同士を重ねるか接近させるかして交接しますが、アメフラシの類いは前後に重なって行います。

といっても、交接器が前と後ろにあるワケではなく、この写真でいうと、後ろの個体の交接器(オス器)は頭の根本の右側に、前の個体の交接器(メス器)はオス器のすぐ近くやや後方にあって、他のウミウシのように互いに精液のやりとりをせず、一方が片方へ行うというスタイルをとります。

写真のちょうど黄色の線の箇所、アソコから交接器が飛び出して片方へ挿入されているんです。

細くて白い筋みたいなのが。
^^;

体は圧倒的にデカいのに、牛肉の下処理の時に出る筋みたいな繊維のような交接器で交接が行われるんですよねー。

何度も (笑)

終わったかと思ったら、近くにいた別個体にも飛び掛かるという・・・・・いやはや、ウサギばりです。
^o^



あ、そうそう、画面にオレンジ色の小さなモノが転がっていますが、これはウンコです。
前方の個体、交接されている方はウンコしながらヤラれているの図です。

おぞましいですよ。
^o^;





DIVING SHOPウミウシハンターズ










神奈川県三浦半島の城ケ島と宮川湾でウミウシ探しを専門とするダイビングショップです

umiushihunters

Author:umiushihunters
神奈川県の三浦半島先端にあります城ケ島と宮川湾にて日々ウミウシ探しに邁進するダイビングショップのブログです。

カレンダー
07 | 2021/08 | 09
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
こちらに注目!!
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QR